distance~いちめーとる~
「おまっ…泊まりに、って…家に……」
「いいじゃん。前は普通に泊めてくれたのにー」
「いつの話だよ!小学生のときのことだろ!」
「えー。泊まりに行きたいよぉ!」
私は小さな子供のように、駄々をこねた。
「ぜーったいに、行くからね!」
すると、由樹は私が折れそうもないことを悟ったのか、諦めたような顔で頭を掻いた。
「……分かったよ。勝手にしろ」
「わーい♪」
夜、トランプとかして遊んだら楽しいだろうな~。
次の連休が楽しみだぁ。
私はまた由樹の家に泊まりに行けるのが嬉しくて、由樹の数歩前を、スキップしながら帰った。
「どうなっても知らないからな……」
由樹がそう呟いたのも知らずに――