ラブ☆シェア
「実、今日も気をつけてスタジオ行けよ」
クローゼットルームの全身鏡の前で、
ストライプのクレリックシャツに
薄いピンクのネクタイを絞めながら
後ろにいる私に鏡ごしに言う悠二。
これから、
得意先に直行するそう。
「スタジオ行くまで、この部屋にいていい?」
鏡の中の悠二に
問いかけた
「あぁ、ゆっくりしていいからな」
私の方を向き、
近づくと
おでこに軽くキスをくれた。
その瞬間、
ギュッと
悠二の腕を掴んだ。
何故だかわからないけど、
急に不安が私を襲った。
「どうした?…」
「…う、…ううん、
いってらっしゃい」
すぐに掴んだ手を離し、
見上げて笑顔を作った。
「また、すぐに会おうな」
私の気持ちを察したのか
悠二の胸に引き寄せられ、
抱き締められた。
「じゃ、行ってくる」
静かに離れ、
スーツの上着を羽織り
悠二は、部屋を後にした。
この後に、
私をどん底に突き落とす出来事が待っていた…