ラブ☆シェア
「実さん、聞いていいかな?」
キッチンから、私に向け、問いかける。
「んー?」
「さっきのヒトが、彼氏なんだろ?」
キッチンの冷蔵庫から、ペットボトルの水を取り出し、
リビングへと戻った市居くんが私にそれを手渡しながら言った。
「・・・・正確には・・・だった、かな・・・」
「そう・・・ プライベートなことだし、会話もほとんど聞こえなかったけど、
実さんがさっき倒れた時、真っ青になってたよ、
病み上がりだったから、って説明したら、そのまま帰っていったよ。
ね、実さん、あの人、大丈夫だったのかな?・・・」
テーブルを挟んだ向かい側で、問いかける市居くん・・・
「・・・たぶん、大丈夫・・よ・・・」
本当のところは、わからない。
わからないけれど、もう、悠二とは、会うことはない。
それは、目の前の彼に少しずつ自分の気持ちが傾いているから・・・
この想いを優先したいと思った。