ラブ☆シェア
私の背中に手をやり、店の入り口まで一緒に来てくれた。
くるりと振り返り、
「今日は、ありがとう。楽しかった。
お客さん待ってるから、早く戻った方がいいわよ」
彼にそう言うと、
「表まで送りますよ。さ、行こ」
「え?ちょ、主役が消えたらマズいよっ!市居くんっ!」
強引に私の手を引き、店の前の階段を上る。
私の手を繋ぐ市居くんの手が、とても温かくて、
正直、離したくないな、と思った。
表に出ると、通りを行き交う車から、
タクシーを呼びとめ、
私に乗るように促してくれた。
「実さん、今日はありがとう。来てくれて嬉しかった。
仕事終わったら、ちゃんと真っすぐ帰るんだよ。」
タクシーのドアが閉まる前に、
まるで、心配する彼氏のように、声をかけた。
「わかってるわよ じゃぁね。」
彼に窓から手を振ると、彼も優しい笑みを私にくれた。