ラブ☆シェア

局について、ドレスのままでは、やっぱりマズいな、と思い、


即効、トイレに駆け込み、


持ってきたジーンズとブラウスにカーディガンに着替えた。


峰くんにせっかくキレイにセットしてもらった髪を


鏡の前で解いて、いつもの私が出来あがった。


メイクは、ちょっと濃かったけど、それはまぁ、なんとか大丈夫でしょう。


着ていたドレスを、ショップの袋に入れ、


スタジオに向かった。





「おー、実、来たかー」


「うん、おはよー、桜井さん。今日の原稿、これでいいの?」


机に置いてあった、原稿の束に目を通しながら、


桜井さんに確認した。


「あぁ、あっと、最後のメッセージのコーナーだけ、まだなんだ。
出来次第、渡すから、待っててもらえるか?」


「うん、わかった」


そう、


私は、この桜井さんの嬉しい企みに気付くことなく、


オンエア間近のスタジオに入って行った。
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