ラブ☆シェア

放送も終盤になり、


メッセージのコーナーの前のCMで、


桜井さんがスタジオ内に原稿を届けにきた。


「この3枚な、これを、一番最後に読んでくれ」


「わかった」


3枚の用紙を確認し、一番下の最後の紙は、手書きのようだった。


CMが終わり、メッセージを読み始める。


誰かが誰かに宛てたメッセージ。


感謝や、愛の告白、忠告、約束、等々。


代わりに私が心を込めて読む。


そして、


最後のメッセージになった。


「それでは、最後のメッセージです

TさんからMさんへ。


最初は、ちょっとおせっかいなお姉さんだと思ってた。

8つも年上で、話すことは噛みあわないし、

何より、君には、好きな人がいた。

でも、一緒に過ごす中で、君の優しさや、強さ、胸の痛みを知った。

君が倒れて入院した時は、

心配で堪らなかった。

傷ついた君を心の底から守りたいと思った。

それくらい、俺の心の中は、君でいっぱいになった。

年上だとか、年下だとか、そんなの関係なくね。

君の過去も、今も全部、俺は受け止めたい。

好き・・・だよ・・・愛し・・てる・・・・みの・・・り」


最後は、もう声にならなかった。

涙が、メッセージの紙に零れ落ちて、マイクに鳴き声が入らないようにするのがやっとで。

桜井さんが、気を利かせて、音楽を挿入して、CMに切り替えてくれた。


放送の締めくくりは、どうにか終えることが出来て、


私は、そのままスタジオを出て、トイレに駆け込み号泣した。
















< 173 / 286 >

この作品をシェア

pagetop