ラブ☆シェア
立ちあがって、彼女の傍に寄り、
そっと、彼女の肩を包んだ。
彼女が、泣き止むのを待って、俺はあることを伝えたかった。
「ゴメンね、泣いちゃって・・・」
瞳の涙を手で拭いながら、俺を見上げる。
「いいよ、心配してくれてたんだろ? 俺も実に喜んでもらいたかったからさ」
その手を握り、実の前に跪く、
「実、お願いがあるんだけど・・・・」
「なぁに?」
まだ少し潤んでいる瞳で、
俺の瞳をじっと見つめる。
「時間、取れないかな?・・・
その・・・実と、一緒に過ごしたい、どこか二人で旅行でもしないか?」
「え? 旅行?」
一瞬、瞳が大きくなり、すぐに口元を緩ませ、
「うん、行きたい私も・・・・
でも、年明けてしばらくしたらしかお休みは取れないかも・・・」
少し眉を下げてすまなそうに言う。
「いいよ、それでも、俺も実に合わせて休み取るから」
「うん」
この約束が、
二人の気持ちに溝をつくることになるなんて、
思いもしなかった・・・・