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【実 side】


珠樹と過ごした誕生日以来、


12月の年末まで、ゆっくりと二人で過ごす時間がほとんどと言っていいほど無かった。


珠樹は、クリスマスの10日ほど前から、


お店でのパーティのお客さんの集客や用意に奔走していた。


部屋に帰ってきても、少しの仮眠だけで、


すぐに出掛けなければいけない日が多かった。


私も、クリスマスから年末にかけての局のイベントや、


特別番組に引っ張り出され、


ゆっくりと家で休むことが出来ないくらい忙しかった。


そして、


今日は、12月31日 午後1:00


キッチンで遅めの昼食を作っていた。


珠樹は今朝8:00過ぎに戻ってきて、


ベッドで寝てる。


と、思ったら・・・


フワッと、私の頬に彼の黒髪がかかる。


微かに、シャンプーの香り。


「おはよ」


シンクで野菜を洗っている私の唇に、


首を傾け、横から唇を重ねてきた。


「ん・・・」


珠樹とのキスが好き。


今までの誰よりも・・・好き。


柔らかくて・・・


優しくて・・・


珠樹の優しさが溢れてるような気がするの。





 








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