ラブ☆シェア
「じゃぁ、その友達の名前と、ケータイ番号、これに書いてくれる?」
ピンクの付箋用紙とボールペンを彼女に渡した。
スラスラスラと、若い子にしては珍しい、素晴らしく達筆な字だった。
「スゴイ、キレイな字ね~!羨ましいわ~」
「ありがとうございます。子供のころから習ってて、字だけは自慢出来るんです。」
「今度、代筆頼んでもいいかしら~?」
「私でよければいつでも仰ってください」
首を少し傾げ、スマートに笑うところは、良家のお嬢様らしい。
「助かるわ~、高木さんだっけ?あなたのケータイ番号も教えておいてね。
で、これが私が頼まれた人物の名前とケータイ番号」
「はい」
再び、達筆な字で付箋に書いた。
「じゃぁ、よろしくね」
去っていく姿も、嫌味がなく、スマートな彼女。
ルームシェアを始める二人に、
私や彼女たちも
ひと騒動に巻き込まれるのを予想していなかった。