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Track02: 絆・・・確かめて


「珠樹、先に滑っていいよ、私、ゆっくり滑るから。

また、上がってきて、滑る時に私を見つけて」


「実っ、ダメだよっ、ヘンなヤローにナンパされたらどーすんだよっ」




午前2時過ぎまで、私を離してくれなかった彼。

当然、
私の身体は言うことを聞かない状態で…


私をこんな状態にした
等の本人は
真横でニヤリと
笑ってるんだもの…

悔しいけど
何だって許せちゃうのよね…


仕方なく
重い身体を叩き起こした。

そして、
朝食の後、すぐにスキー場へ向かって、

もう、何度目かのリフトを降りる。


ボードにブーツをセットしてる彼に、
そう言った。


「だーいじょうぶだってばっ、
それに、こんな三十路の女、ナンパする人なんかイナイわよっ

せっかく滑りに来たんだから、
珠樹にも、思う存分滑ってほしいの」


ゴーグルを外し、笑顔を彼に向ける。


「わかったよ、じゃぁ、ゆっくり滑ってろよ、すぐに追いつくから」


「うん、」


口を尖らせていた彼を説き伏せ、

絶対に無理はしないと約束して、

彼はしぶしぶ、白い斜面を下って行った。


私も、昨日、彼に教えてもらった基本の動作を思い出しながら、

斜面の端に寄ってから、滑りだそうとした


その瞬間・・・・


ドンッッ--、


と、後ろから、押されたような感覚が襲ったのと同時に、


「きゃぁっーーーっーーーーー」


バランスを崩した私は、


滑る斜面とは、別の、


立ち入り禁止区域の斜面へと、


転がり落ちた。



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