ラブ☆シェア
「実っ!! 実!! 実!!」
横たわる彼女の上半身を少しだけ抱き起こし、俺の膝の上に乗せる。
「・・・・ん・・・」
「実っ? わかるかっ? 俺だよっ」
うっすらと目を開けた彼女に問いかけるが、返事がなく、
代わりに、震える手が宙を泳ぐ。
その手を、しっかりと掴み、俺の頬にあてる。
はめていた手袋など、どこかへ行ってしまって、
氷のように冷たい彼女の手・・・
実・・・怖かっただろ?・・・ゴメンな、実・・・
俺の胸が鷲掴みにされたように、苦しかった。
「実っ!大丈夫だからな!、今、レスキューくるからっ!」
俺の手をギュッと握り、辛そうな顔で、頷いた。
レスキューが、到着し、
彼らの手により、麓まで運ばれる実の後を、
俺も、ボードで追いかける。
待機していた救急車に運ばれ、俺も乗り込み、病院へ向かった。