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処置をされた実は、


左腕の骨折と、あちこちの打撲、


頭も打ったらしく、念のため、CTを撮ったが、大丈夫だった。


連絡を受けた旅館の女将さんが飛んできた。


「ハァ、もう、ビックリしたわぁ~
地元の消防団の人から、

あなたが、大けがしたって聞いたから、
もう、心配で、心配で・・・」


処置室で、車いすに乗った実の傍に駆け寄り、着物の胸元を抑えながら、言った。


「心配かけてすみません、女将さん」


身体が思うように動かないせいか、


彼女は、ゆっくりと、頭を下げた。


「ううん、あなたが無事ならいいのよ、良かった、ホントに」


車いすに乗る、実の目線までしゃがみ、優しく答える女将さん。



女将さんに、俺は1つの疑問を投げかけたくて、


「女将さん、ちょっと、いいですか? 実、ちょっと待ってて」


処置室を後にして、女将さんを廊下へと連れ出した。




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