ラブ☆シェア
病院を出て、タクシーに乗り、
とりあえず旅館に戻り、部屋で素早くウェアから私服に着替え、
目的の喫茶店に向かった。
カランカラン♪
喫茶店のドアを開けると、
奥の席で、手を振る希がいた。
なに、笑顔なんか振りまいてンだよっ!
湧き上がる怒りを、鎮めながら、希のいる席へと向かう。
「どうしたの?急に? もしかして、私の力になってくれる気になったの?」
「はぁっ?」
希の向かいに座ると、
見当違いなことを言う希を、鋭い視線で睨んだ。
「珠樹、なにコワイ顔してるの?」
俺の表情に、怯えもせず、平然と問いかける。
「お前、今日、仕事休んでどこ行ってたんだよっ?!」
俺の問いかけに、眉を寄せて、
「プライベートなことだから、どこだってイイでしょ」
平然と言い
コーヒーを口にする。
そうやって、隠そうとするところが、気に入らない。
まぁ、いいさ、
これは、単刀直入に問いかけた方がいいだろう。
「俺、スキー場で、お前を見かけた。
それも、山頂で・・・
これだけ言えば、わかるだろ?」
「・・・・・・・」
俺の顔をじっと見つめ、
何も答えない。