ラブ☆シェア

そして、


頭を上げてから、


「俺、今、
実のこと、誰よりも大切にしたい、守りたいんだ。

実を失ったら、
たぶん、俺、
生きていけない・・・

それほど、
今の俺には彼女が必要なんだ
だから・・・・」


「ごめんなさい・・・・
あんな大ごとになるとは思わなくて・・・

ちょっと、痛い目みれば・・・って
思っただけなの・・・

ごめんなさい・・・・
ごめんなさい・・・
ごめっ・・・」


希は、
泣いている顔を
必死で隠しながら、
何度も俺に謝る。


「わかった・・・

希から本当のことを聞けて、良かったよ。

お前も、
ダンナと早く仲直りしろよ、
俺は、何も出来ないけど、
ちゃんと、幸せになれよ・・・」


希の頭をひと撫でして
立ちあがった。


「ごめん、俺、
実を女将さんに任せてあるから、
もう行くよ・・・

じゃぁ、元気、出せよ」


顔を上げた希は、
少しだけ口元を緩ませ、
頷いた。


俺は、
それを確認すると、
すぐさま喫茶店を後にした。




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