ラブ☆シェア
清算を終えて、
旅館を後にしようとすると、
「実さんっ」
振り返ると、
女将さんと、希がいた。
2人は俺たちに近づいて、
「実さん、
せっかく来てくれたのに、
何のお構いもできなくて、
ゴメンなさいね。
それに・・・
辛い思いさせたわね・・・」
申し訳なさそうに、
女将さんが、
実の手をとり、
言った。
そして、
「本当に、ごめんなさい。
ごめんなさい・・・」
希が、深く頭を下げた。
実が、希に近づいて、
「頭を、上げて、希さん
珠樹から、聞いたわ、
あなたも、辛かったのよね・・・
私・・・珠樹を愛してる。
どんなことがあっても、
それは、変わらない。
珠樹を、大切にするわ。
だから、
珠樹を・・・
私を、許してね」
希の手を握り、
優しく言う実に、
希は、俯き、大粒の涙を零した。
「実さん、
また、ゆっくり遊びにきてね。」
玄関で
女将さんが
俺たちに手を振り
2人に別れを告げ、
この地を後にした。