ラブ☆シェア


コンコン


「実さーん、珠樹くーん
そろそろですよー」

ドアの向こうで
彩月ちゃんが呼ぶ。

珠樹が私の手を取り
エスコート
してくれる

ドアを開けると
彩月ちゃんが
待っていた


「あ、口紅…」

ニヤリと
私と珠樹の顔を
交互に見る彩月ちゃん


「ちょっと待って下さいよ」

持っていたメイクボックスから
パレットを取りだし
ササッと
唇に口紅をのせてくれた


「ぶっ、
珠樹くん、顔が
ユルユルですヨ」

彩月ちゃんが珠樹の顔を見ながら笑いを堪えてる


照れた珠樹は
顔を背ける

「いーだろっ
彩月さん、
よけいなコト言うなよなっ」


「珠樹ぃー
年上を敬いなさぁい

彩月ちゃん」


彩月ちゃんと私は
顔を合わせて
微笑んだ


「さ、
行きましょう
皆さん待ってますよ」


薔薇のラウンドブーケを
彩月ちゃんから受け取り
珠樹の腕に寄り添い


皆の待つ
会場へゆっくりと歩く


ドアを開ければ
振り返った皆の顔に
瞳がぼやけて…


「実

愛してるよ」


耳元で
囁く珠樹の声に
ポロリと
涙が
零れてしまう…


気づいた珠樹が
ポケットから
ハンカチを出し
拭ってくれた


「さ
行こう、実」


「うん…」


珠樹…

ずっと

私の

傍にいてね


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