ラブ☆シェア
高いでもなく、かといって低いでもない、俺にとっては理想の聞きやすさの声。
リスナーの質問や、疑問、悩みに答えたり、
朝のモーニングはどこが良い等といった情報を
サクサクとこなす彼女のテンポも気に入っている。
いったい、どんな人がしゃべっているのか、いろんな想像が働く。
『さて、カノンの音楽が聞こえてきました。今日もお別れの時間です。
お仕事を終えたあなた、お疲れ様。
これからお仕事や学校のあなた、
家族を送り出すお母さま、
今日も一日気をつけて、また明日、アスカでした。』
最後の声を聞いて、俺はベッドで眠りにつく。
この声の主と俺が、
お互い、かけがえのない存在に
なることを、知るのは、
もう少し、あとのことだった。