ラブ☆シェア
夏休みが終わり、後期が始まって、数日たった日の出来事だった。
この夏、せっかく就職が内定したと思ったのに、
この世の不景気のせいで、内定が取り消された。
俺だけでなく、俺と同じ科の何人かも取り消された仲間がいた。
「珠樹、大丈夫?」
同じ科の鈴木 由梨が声をかけてきた。
「あぁ、まぁ、仕方ないさ、きっとまたどこか、俺でなきゃダメってとこ、出てくるさ、なんとかなるだろ」
口では、そんなことを言ったけど、内心は焦っていた。
「私も、情報は提供するからね!」
「サンキュー、由梨。あ、哲弥見かけなかったか?」
「学食にいたみたいだよ 私、お昼一緒できないから~、図書館で調べ物~、3限の教室でね」
今日もメイクばっちりに、細く長い脚を際立たせるヒールを履き、足早に去っていった。
コスメブランドの会社に内定して、あとは卒論のみだという。