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夏休みが終わり、後期が始まって、数日たった日の出来事だった。


この夏、せっかく就職が内定したと思ったのに、


この世の不景気のせいで、内定が取り消された。


俺だけでなく、俺と同じ科の何人かも取り消された仲間がいた。


「珠樹、大丈夫?」


同じ科の鈴木 由梨が声をかけてきた。


「あぁ、まぁ、仕方ないさ、きっとまたどこか、俺でなきゃダメってとこ、出てくるさ、なんとかなるだろ」


口では、そんなことを言ったけど、内心は焦っていた。


「私も、情報は提供するからね!」


「サンキュー、由梨。あ、哲弥見かけなかったか?」


「学食にいたみたいだよ 私、お昼一緒できないから~、図書館で調べ物~、3限の教室でね」


今日もメイクばっちりに、細く長い脚を際立たせるヒールを履き、足早に去っていった。


コスメブランドの会社に内定して、あとは卒論のみだという。






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