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「そんな、難しい顔しないのっ」
眉間にシワが寄った市居くんの額を小突いた。
「っっって、な、何を言ったんですか?由梨は」
「たいしたことないわよー、んー、近づくな、とか、誘惑するな、とか、かな」
フライパンに卵を流しこみ、手早くスクランブルエッグを作る。
「・・・・あいつっ!」
フライパンから目が離せないが、市居くんが、かなりムッとしたことだけは、なんとなく感じられた。
「そんな、怒ることないわよっ、って、いうか、市居くん、彼女のこと、考えてあげたらっ?」
「・・・・・・」
「彼女、ホントに、市居くんのことが好きなのよ・・・・わかるなぁ、彼女の気持ち、私も若いころ、一生懸命、恋したもの・・・・」
出来あがったスクランブルエッグにじっと目をやりながら、呟いた。
目の前に、白い皿が差しだされ、
「由梨は、1年の時からの友達なんです。それ以上の想いはないんです。それに・・・」
「それに?・・・」
言いかけた言葉を飲み込もうとしたので、聞いてみた。
「もう、彼女とか、作る気ないんです!」
キッパリと私に言い、目の前のお皿に、フライパンからスクランブルエッグを盛り付けた
。
市居くん自身の問題だから、私がそれ以上、意見するつもりはないけど・・・・