ラブ☆シェア
「オイオイ、放送前に、ヘンな電話すんなよォ~」
スタジオに入ろうとドアノブに手をかけると、
後ろから、聞こえる桜井さんの声。
「っ!もうっ! 聞いてましたねぇ?!」
口元を斜めに上げ、眉が上がる桜井さんの腕を軽く叩いた。
「はははっ、相変わらず、ラブラブでいーねー」
「おかげさまでー、
桜井さんも奥さんとラブラブしなきゃ、ダメですよー」
「ウチのことは、いーの、いーの!」
頭の上で手のひらをヒラヒラとさせる。
「そーいや、実、さっきロビーで、メガネの若い男に声かけられたぜ、実の仕事終わりの時間聞かれたよ」
「え?…?
メガネ…
あ、もしかして…」
ふと、心当たりがある顔が浮かんだ。
「また、来るんじゃねーかなー」
「そぉー?」
「さ、もうすぐだから中入るぞ」
「う、うん」
少し気になったけど
オンエアの時間が迫ってたので、
そちらを優先した。