雨に流れる
なれた感じでお店へ入っていくルナ。

慌てて彼女を追いかけるようにして店に入ると、半分くらいの席がサラリーマンで埋まっていた。

とても、若い女性が一人で来る雰囲気じゃないんだけど…。

「いらっしゃいませ～」

奥からお水を2つもった、人のよさそうなおばさんが俺たちを空いている席へ案内してくれて。

「注文が決まったら呼んでね！」

忙しそうに俺たちの目の前にメニューを広げて店の奥へ行ってしまった。

目の前に置かれたメニューを見ると、定食がいくつかと日替わりランチが書かれていた。

「私今日のランチにしよーかな」

「じゃあ、俺は…生姜焼き定食で」

「決まりね！おばちゃーん！今日のランチと生姜焼き定食お願い！」

「はーい！お待ちくださいね～」

なれた感じで店の奥へ注文するルナに、本気で驚いてしまった。

「ここね、よく来るんだよね」

びっくりしている俺に、にっこり笑ったルナが教えてくれた。

自分の栄養は、おばちゃんの料理で補ってた、なんて笑っていると、あっという間に出来上がった料理が運ばれてきた。

「ルナちゃんが男の子連れてくるなんて、初めてだねぇ」

「ふふ。おばちゃんにはちゃんと紹介しておきたくてね！」

「あらまあ。この子すごくいい子だから、よくしてあげてね」

「え、あ、はい」
< 15 / 48 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop