雨に流れる
公園で少し遊んでから帰宅。

時計を見ると、そろそろバイトへ出かける時間になっていた。

「スペアのカギ、渡しておく」

「うん、ありがと」

一緒に住むの?本当に?という気持ちが消えたわけじゃないけど。

とりあえず、当面はここに居そうだし何よりももうバイトへ行かなきゃならないので鍵を渡した。

これで、俺がルナをここに置くことを認めたってことになるんだろう。

家の中のことを一通り説明し、俺の寝室には入らないでと伝えて家を出た。

帰りは遅くなるだろうから、先に寝ていてとも。

部屋の中に見られたら困るようなものがあるわけじゃないけど、さすがに俺の居ないところで勝手に部屋を見られると思うと気分がよくない。

まあ、すでに俺の家の中に彼女がいることには変わりないんだけど…。

バイト先につき、いつもと変わらずに仕事をこなしていく。

週に何度も来る職場だし、一緒に働いている仲間もいいやつばかりで気に入っている。

時間いっぱいまで忙しく働いてから、帰りにコンビニによってアイスを買ってから家へと急いだ。

遅い時間だけど、ルナはまだ起きているだろうか?

なんとなく2つ買ってしまったアイスを隠すようにして玄関のカギを開ける。

部屋の中は真っ暗で、何の音も聞こえなかった。

「なんだ、寝たのか?」
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