雨に流れる
雨の記憶
…・・・ ・ ・ ・
大学に入学して1カ月。
ゴールデンウイークを利用して、実家へ帰ることにしていた俺は帰省の電車に揺られながら流れる景色を見ていた。
黒かった空から零れ落ちて来た雨は、初めこそ小さな粒だったけど、気がつくと景色がよく見えないほどの土砂降りになってしまった。
「あー、傘持ってないなぁ」
駅から住宅街の中を歩いて実家までは20分。
天気が良ければ歩いて帰る予定だったのに、まさかの、雨。
「天気予報くらいチェックするべきだったな」
しばらくやみそうにない雨を見ながら、小さくため息をつく。
2時間ほど電車に揺られて最寄りの駅に着くと、変わらず雨は降り続いていて。
歩いて帰宅するのをあきらめて実家へ電話しようと携帯を取り出したところで、迎えに来てくれた父親の車を見つけた。
「父さん」
「おお、雨がひどいから迎えに来たぞ」
車の運転が出来ない母さんは家で留守番をしているらしく、無愛想だけど俺のことをよく理解してくれている父さんの運転で久しぶりの実家へと帰った。
大学に入学して1カ月。
ゴールデンウイークを利用して、実家へ帰ることにしていた俺は帰省の電車に揺られながら流れる景色を見ていた。
黒かった空から零れ落ちて来た雨は、初めこそ小さな粒だったけど、気がつくと景色がよく見えないほどの土砂降りになってしまった。
「あー、傘持ってないなぁ」
駅から住宅街の中を歩いて実家までは20分。
天気が良ければ歩いて帰る予定だったのに、まさかの、雨。
「天気予報くらいチェックするべきだったな」
しばらくやみそうにない雨を見ながら、小さくため息をつく。
2時間ほど電車に揺られて最寄りの駅に着くと、変わらず雨は降り続いていて。
歩いて帰宅するのをあきらめて実家へ電話しようと携帯を取り出したところで、迎えに来てくれた父親の車を見つけた。
「父さん」
「おお、雨がひどいから迎えに来たぞ」
車の運転が出来ない母さんは家で留守番をしているらしく、無愛想だけど俺のことをよく理解してくれている父さんの運転で久しぶりの実家へと帰った。