雨に流れる
夜は地元の友達と久々に集まって深夜まで遊びまわった。

大学で出来た友達と違う、何でもわかってくれる友人たち。

ほんの一ヶ月しかたっていないのに、すごく久しぶりに感じたけどこうして一緒にいると以前と何も変わらなくてほっとした。

翌日は予定通りに母さんの買い物に付き合い、自分のバイト代で買うと言うのに洋服や靴などを買ってくれた。

「ありがとう、母さん」

「たまにはこうして買い物に付き合ってね」

にっこり笑う母さんを見て、こういうのも親孝行になるんだろうか、なんて考えてしまう。

一人っ子の俺を、快く送り出してくれた両親。

それでも、こうして帰る場所があると言うのはとてもありがたいことなんだ。

連休はあっという間に過ぎていき、帰る日となった。

その日は夜明け前から降り出した雨が、出掛ける前には土砂降りになっていて。

傘を持っていなかった俺は、父さんが持っていた普段使っていない方の傘を借りることにした。

昨夜、母さんが作ってくれた、いくつかのおかず。

日持ちするもの、冷凍保存できるものと入れ物別に保存方法を書いてくれて持たせてくれた。

しばらくは、母さんのおかずを食べて過ごせそうだ。

父さんの運転で駅まで送ってもらい、いつまでも手を振る二人を見ながら電車に乗り込んだ。
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