雨に流れる
バイト先へも連絡して、帰宅したことを伝えると店長はいつでも戻ってきてほしいと言ってくれた。

正直、家の都合だろうが一カ月も休んだ俺をまた働かせてくれるとは思っていなかったので、とてもありがたかった。

それからの毎日は、週に何度か伯父さんと電話をする以外は勉強とバイトに追われる毎日で。

友達からコンパの誘いを受けてもしばらくはその気になれずに、ひたすら家と学校、バイト先を往復していた。

試験も終わり、あっという間に迎えた夏休み。

お盆の間だけバイトを休み、実家で初盆を迎えた。

何も分からない俺に代わって、あれこれ伯父さんが準備をしてくれて。

初めは伯父さんを悪く言っていた親戚も、しっかりやることをやってくれている伯父さんを見直したのか、今では伯父さんを悪く言う人は誰もいなくなっていた。

お盆休みが終わり、家へ帰るとバイトの毎日で。

たまに大学の友人から遊びの誘いがあり、少しだけ気持ちに余裕が出来て来た俺は時々遊びに行くようにもなっていた。

何人かの仲間で集まる中、一番気の合う友達になったのか、サトシ。

同じ学部で、席も近くて明るいサトシの周りにはいつも誰かが居るような、そんな男だ。
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