雨に流れる
コーヒーを飲むか、学校へ行く前にコンビニで軽く何か買うくらいの日々。

夕飯はバイトの日は賄いで、バイトのない日は彼女と外食か、サトシと一緒に済ませていた。

「タケシー。クラブ行くぞー」

「悪い、今夜バイト。終わってからでもいいか？」

夏休みに入ってすぐに、サトシから遊びの誘いがあった。

彼女のヨウコもバイトを始めて、毎日会えなくはなったものの付き合いは順調で、出来る限りお互いの休みを会わせるようにして週に1度は一緒に居るようにしていた。

そんな彼女と会う日を翌日に控えていたものの、いつもよりバイトを上がる時間が早かったので久しぶりにクラブへ顔を出すことにした。

夜遅くなっても蒸し暑く、バイト上がりで汗ばんでいるシャツのままクラブへ顔を出す。

久々に来た独特の空間に、周りを見渡すとそこには女の子に囲まれているサトシが居て。

「お前なぁ…」

呆れてサトシを女の子の輪の中から引き出すと、お酒の匂いがした。

「飲みすぎじゃねぇの？」

「あー？タケシ、邪魔すんなよ」

ケラケラと笑いながら女の子たちに手を振るサトシを椅子に座らせ、俺もドリンクを口にする。

「お前さぁ。そろそろいろんな女の子に手を出すの、やめたら？」
< 33 / 48 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop