雨に流れる
「…なんでかなぁ?」

むくっと起き上がって俺を見るその目は、獲物を見つけた動物そのもので。

狙われてるのか?俺はその目から視線をそらすことが出来なくなってしまった。

「シャワー貸して」

「え?」

「シャワー!あと着替えも貸して」

部屋の中を我が物顔で歩き回り、お風呂を見つけるとさっさと全裸になって入って行ってしまった。

…もう少し隠すとかしてほしいんだけど。

ばっちり彼女の裸を見てしまった俺は、なんだか恥ずかしくなってしまう。

慌ててタオルと俺の部屋着を用意し、脱衣場の前に並べて置いた。

「ルナ。ここに置いておく」

「ありがとー」

小柄な彼女が着ると、俺のシャツもワンピースみたいになる?

…なんだかいやらしい。

自分で想像して鼻血がでそうになる。

ため息をついてからキッチンへ行きコーヒーを入れた。

昨夜、俺を捕まえた彼女は「お持ち帰り」するとかされるとか叫んでいたよな。

俺はお持ち帰りされたのか?

でも、ここは俺の家だし?

2杯分のコーヒーが出来上がったころ、頭にタオルを巻き付けたままルナが出てきてカウンターに座った。

「目覚めのコーヒー、いいねぇ」
< 4 / 48 >

この作品をシェア

pagetop