雨に流れる
なんだかすっきりしないけど、精神的なダメージが大きいため、通院で治療するからもう会わないでほしいと書いてあった。

「…そっか」

手紙を最後まで読んだサトシは、そのまま黙ってしまったけど。

俺も、これ以上は彼女に負担になるだろうし。

…何よりも、俺自身ももう忘れてしまいたいなんて思うようになっていたのもあって。

まだまだ暑い夏は続くけど、こうして俺たちの夏休みは終わりをつげ、ヨウコは大学からも姿を消した。

しばらくはクラブなどで遊ぶ気にもなれず、大学とバイトの毎日。

サトシと飲みに行くこともなく、他の友人と飲みに行くこともなかった。

「たまには飯でも行く?」

珍しく授業も午前で終わり、バイトもない日。

大学を出る前に同じように昼から暇だと言うサトシに久しぶりにさそわれた。

特に予定もなかった俺はそのままサトシと軽く昼ごはんを食べ、まだまだ残暑厳しい中バッティングセンターへと向かった。

「この暑い中?」

「おう。たまには体動かさないと」
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