君だけじゃたりない
そんなに僕が好き?
君はいつも笑っている。
それはそれは幸せそうに。
「そんなに僕が好き? 」
「うんっ。当たり前じゃん? 」
君の笑顔が眩しくて、僕は思わず目を反らした。
「そうなんだ」
「菜央(ナオ)は?私のこと嫌いなの? 」
「そんな訳ないじゃん。僕は真由(マユ)が好き」
自分からカマをかけてきたくせに、君は僕の言葉に頬を紅く染める。
オンナは単純だ。
優しい言葉、飴とムチに弱い。
「恥ずかしいじゃん。菜央……」
そしてオトコも単純だ。
この上目遣いと、白く柔らかな肌に弱い。
思わず手を出してしまいそうになる。
「ねぇ、真由。真由は僕のものだよ」
「んっ、うん……知ってるよ」
それは証のように、君の白い肌を紅く染めていく。
君が全て欲しいんだ。