暗黒詩集 アディエール
お茶会にようこそ
もう空っぽなのに
何を言おうとしているの?
昔はね
カミソリのように
触るだけで切れたのね
切るものがあったもの
切ろうとする動機も
凶暴さも
もう空っぽなのに
何をして
おもてなしは
得意料理でね
誰かがやってくる
来なくても
血糊でさびたカミソリは
硝子のケースに陳列されていて
見せてあげる
君に
きっと好きになる
僕のアレに
君はそうする!
(そしたらそのあとで
ラプサンスーチョンを
淹れてあげる)