日常リバーシブル
市の図書館に入る。


今日は何を読もうか。

数多に棚に並べられた本を観賞しながら、入り口にふと視線をやる。

すると傘立に1本だけあった黒い傘を手にとって図書館を出て行く一組の恋人がいた。


不平等な愛。


それを否定する気はない。

視線を落とせば黒猫と目があう。


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