日常リバーシブル
閉館。

雨に濡れて歩き出すか

わずかに与えられた自由のなかで瞬きして時を過ごすか。



隣には黒猫と彼の膝くらいの背丈の女の子。



彼女の姉と思しき人が傘を差して迎えに来たようだ。


いくつも穴があいたボロボロの、雨を防げない傘を差して。


びしょ濡れになって、日だまりのようにほほ笑んで。

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