日常リバーシブル
女の子が死にました
ハーピィは死にました。

昨日大好きな恋人のキリィとデート中に 工事中のビルの横を通ったときに、石材がふたりの頭上に落ちてきたところ ハーピィはそれに気付きとっさに彼を突き飛ばしたのですが、 自分の頭には石材が直撃してしまい ハーピィは死にました。

簡単にいうと ハーピィはキリィをかばって死にました。

通常は神の秤によって 歪んだり濁っているとされたものは地獄行きとなり、 そうでないもは天国行きとなります。 ですが最近は神様も いちいち秤にかけることをそんなにしなくなっていました。 ハーピィも神の秤にかけなくとも純粋とみなされ、 死んだ後、天国に行きました。 ハーピィが死んだ理由はすでに天国中に広まっていました。 その噂を聞いた天国の住人は 彼女のことを「天使」と呼びました。

ハーピィは死んでもキリィのことが大好きでした。

天国でのんびりと暮らし、 地上のことはほとんど気にも留めなくなった他の住人と違い、 ハーピィは来る日も来る日も地上の世界を眺めていました。 キリィの様子をいつも見守り 彼の幸せを願っていました。

キリィはしばらくは 恋人を失ったショックで落ち込んでいたものの、 立ち直って生活を続けていたようでした。
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