日常リバーシブル
ある日のこと

ハーピィがいつものようにキリィの様子を見ていると、散歩中のキリィが 飲酒運転のトラックに轢かれそうになりました。
その瞬間、ハーピィは天国の住人の力を使い、トラックをキリィとは反対側に方向を変えて キリィが轢かれないようにしました。
しかしそのため反対側を歩いていた人が 死ぬこととなりました。

すぐさま天国では騒ぎになりました。
天国の住人の力は 決まったときに決まった人だけが使えるというルールです。
神様は灼熱の業火の中に身を投げ出すという罰を ハーピィに与えました。
ハーピィは「キリィを救うためだったのだ、仕方がない」 そう思って灼熱の業火に身を投げ出しました。
しかしその苦しみは想像を遥かに超えるものでした。
熱さで皮膚がベロベロになり 骨まで焦げていきます。
天国の住人なので命はもう失うことがなく、その身ももとに戻っていこうとするため苦しみが延々繰り返されるのでした。

ハーピィは
「ひとりよがりである人を死においやってしまった。
けれどあたしはキリィを救いたかった。
どうすればよかったのだろう・・・
それにしてももうこんな罰は受けたくない・・・」
と思いました。
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