日常リバーシブル
ついに神様はハーピィを地獄に送る決意をしました。

ハーピィを呼び出し神の秤に乗るように言いました。


ところが 秤はまったく動きません。これには神様も驚きました。


ハーピィは歪みもなく濁りもなく まっすぐで純粋でした。

これではハーピィを地獄に送ることができません。
「きっとつくりに欠陥があったに違いない」
神様は急いで神の秤をつくりなおすことにしました。

しかしそんな大切なものの代わりが すぐにできるはずがありません。

その間ハーピィはやっぱり地上を眺めていました。

キリィも運が悪い男でした。
何度となく命の危険にさらされました。
そのたびにハーピィは力を使いました。
そのたびにハーピィは罰を受けました。
そのたびにある者の命がなくなりました。
それはときにハーピィの友人であったり両親であったり、それでもハーピィは力を使い続けました。

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