愛してました
彩夏の初恋
私、桜田彩夏です。
昨日までは…中学3年生でした。
「はぁっ…」
そして今日から、私は高校生。
通う学校は、寮生活らしい。
はぁ…ドキドキするなぁ…
家のドアを開けるだけでもドキドキしてしまう。
「彩夏ー?何してるのー?早く行きなさいよー」
家の向こうでお母さんが呼んでる。
「はっはーい…」
そしてパタパタッと足音を立てて、お母さんが
玄関に迎えにきてくれた。
「気をつけてね。もう帰りたいーとか言って
泣くんじゃないわよ?」
「もう、そんなことするわけないよ。
…じゃあ、いってきます!」
「いってらっしゃい」
..バタンッ
…この家を見るのは、何日後になるか…
もう泣いたりなんかしないもんね。
「いってきます」
この大きな自分の家にも小さく言って、
いよいよ学校に向かった。