愛してました
「…?あそこに誰かいるよー」
夏が指差した場所は、
職員室の前だった。
…それにしても、あそこに居る人
背高いなあっ。
「あのー…桜寮って…どこか分かりますかっ?」
私は、今日からお世話になる寮が
どこにあるか分からなかったから、
思い切ってその人に聞いてみた。
まだ顔も見知らぬ人に。
「…誰あんた」
「っ…えっと、今日からこの学校に
お世話になる桜田彩夏…です」
でもなんか、自己紹介したくない…って気もあったかな。
思ったより、この人態度がでかいってゆーか…
想像と全く違う人だった。
「ふーん。俺も桜寮ってとこ、探してんの。
だから先生に聞いてるんですけど。あんたも
聞いたらどうなの?」
「っ…すみませんねー」
私は嫌みっぽく言った。
なんなの、この人!
顔はすっごくかっこいいのに、
性格めっちゃ悪いじゃんか!