おとぎの姫君


「俺はカイリ。カイリ ア ローガンだ」


長い名前
外国人みたい…



「カイリ…くん?」



「カイリでいいぜ?」



「カイリは外国人?」




私の質問に一瞬キョトンとして見せたが
すぐにカイリは大笑いした




「外國人はお前だろ?!」




「え?あ…」




そっか、ここでは私が異世界から来たってことになるんだっけ





「さ、着いたぜ」




私の横でカイリが呟いた
カイリの視線の先を見ると、大きな建物が立っていた




それはまるで



「お城?」





「お?知ってるんだ?ここは、この國の長、ロイス王の王宮だ」




王宮…
すごい、真っ白!
まさに物語に出てくるお城そのものだった



「じゃ、入ろうぜ」




カイリは私の手を引いたまま何の躊躇いもなく中に入ろうと歩き出した




「え?ちょ、入ろうって…」





「なに驚いてんだよ?平気だって!」






門番を目の前にしても全く平然とした態度のカイリ
それどころか



「カイリ殿、おかえりなさいませ」



そう言って門番が頭を下げて道を譲った
カイリって何者?
門番とすれ違う時に確かに目が合い、不審そうな顔をされたが
カイリが「お客様だから」と言うと門番は納得して私にまで道を通してくれた
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