おとぎの姫君


王様の部屋を出ると
私とカイリは私の部屋に向かって歩き出した





カイリは何も喋らない
確かに王宮に私が住むなんておかしいし
いくら私が異國人って呼ばれるすごいらしい人だとしても
ここまで特別扱いになるのかな?





しばらく歩くとカイリはある部屋の前で立ち止まった







鍵を開けて扉を開ける







「ここがお前の部屋だ」






私の部屋と言われた場所はすごく広いし
窓だってすごく大きいし
ベッドなんてダブルサイズの天井からレースみたいの架かってるし






「すごい…」







私の家の部屋とは大違い!
私は部屋に入って窓を開けた
ベランダまである
そっと裸足のままベランダに出てみた
風が気持ちいい
良い天気だし…







「アスカ」






後ろからカイリの声がして振り返った








「お前、こっち来て分かんねーことばっかだろ?何かあったら俺に言えよ?」







窓から出ずに風を受けてるカイリ
何となく…何となくだけど
どこか切なそうに見えた






カイリ、心配してくれてんだ
確かに変だもんね、こんなの…
私がこんな特別扱いされるなんて






「ありがとう、カイリ」






すごく
すごく心強いよ
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