おとぎの姫君
異世界
次に目を覚ました時には全く知らない場所に倒れていた
なに…ここ
どこ?!
私はガバッと勢い良く体を起こした
一瞬、フラッと目眩がした
辺りを見回すと
……草原?
私は草原のような場所にいた
風が気持ちいい緑色の草原
何で?
私は図書館にいた筈なのに…
まさか本当にあの噂はデマじゃなかったの?!
"何か"ってこのことだったの?!
それにあの声の主…
彩香にはあの声は聞こえてなかったみたいだし
!!そういえば彩香は?!
彩香の姿がどこにもない
まさか、彩香だけまだ図書館に残されてるの?!
私、彩香とはぐれた?!
とりあえず立ち上がってみた
立ってみれば視界が広がるから
でも、やっぱり彩香はどこにもいなくて…
ただ、一本の木が立っているのだけがよく見えた
花も咲いていない…今は、冬だからかな?
その木の上に何かが見える
いや…いる?!
目を凝らしてみると…人間?だよね
正体が分かると私は勢い良くその木に向かって走り出していた