やい、そこの美少年。
思いもよらないひと言一瞬息を飲んだ。
ごくり、と
「まあ小説家とかは奇人変人が多いって言うし、見ず知らずの人間を拾ったりする時点で常識なんて皆無だけどね。」
由輝はそう言って玄関を後にした。追いかけるようにして私も後を追う。
私の家は12階立てのマンションだ。階段もあるが大抵はエレベーターを使う。
先に乗り込んでいた由輝に続く。
「で、結局どこに行くの。」
「うーんとりあえずショッピングモールにでも。あそこなら色々揃ってるし。」
「ショッピングモールか…名前は記憶にあるけど行くのは初めて。」
…そっちこそ常識ないじゃん。