やい、そこの美少年。
「そう。で、どうやってショッピングモールまで…っつ!!」
「由輝?ちょっと大丈夫??」
急に頭を抱え苦しそうに痛みに耐える由輝。
明らかにいつもと様子が違う。
「…タク…シー、乗り込…む、ヒゲ、白髪…」
「???タクシーはもう呼んでるから…ヒゲ?白髪?」
訳がわからない。
ただ呟き終えた瞬間、由輝は少しぼーっとしていた。
声をかけようとしたけど丁度いいタイミングでタクシーがきた。
「今日…やめる?調子悪そうだし。」
「別に悪くないよ。たまにこうなるだけだし…大丈夫だから早く乗ろうよ。」
そう言った由輝はもうどこも苦しそうではない。
だから少し心配しつつも私達はタクシーに乗り込んだ。
「…あ。」
「なんだいお嬢さん?私の顔に何かついてるか?」
「いえ…その…立派なおヒゲですね。」
年を感じさせる白髪とヒゲ。
偶然だと思うけど、さっき由輝が言ってたのと同じ。
「偶…然?」