やい、そこの美少年。




なんてぼんやり考えてたら



「今日中川っていう人が7時ぐらい来るって電話あった。」



ああ、そういえば昨日出来た原稿取りに来るって言ってたっけ…。


「あいつ時間厳守だからもう来るかも。そういえば由輝は中川と会ったことなかったっけ?」



「ないよ。別に会いたくないし興味もない。」



「そりゃそうだ。」



由輝の全く気のない言い草が何故かおもしろくて笑って答えた。


中川というのは私の担当で性格は歪みまくり、常に上から目線とウザさ極まりないがそこさえ目を瞑ればかなりやり手だそうだ。



中川直彰が担当した作品は必ず売れる―


この世界で食って行く者なら誰でも一度は必ず耳に入ってくる言葉だ。






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