アナタハシニマシタ
――さて、どうでるか?
二人は自分のタイミングで男との距離を詰めていく。最初は五メートルずつあった距離は今はほとんどない。
「警察の協力をしている者です。すいませんがその風船飛ばして貰えませんか?」
男は明らかに挙動不審な行動を取っている。後から近づく修にも体をびくつかせている。
「その風船を飛ばすだけでいいんですよ?皆さん風船浮かんでいるからあなたのも大丈夫だと思いますよ」
「何にもしていなければ・・・ね?」
優次の最後の一言を聞く前に男は優次に向かっていく。優次は男から繰り出された蹴りを軽くかわして、男の背中をひと押し。男は簡単に転ぶ。しかし、右手に持った黒い風船は上に持ち上げて無事だった。
修はその隙に男の風船をひったくった。そしてその場で手を離す。
「優次さん。大当たりです」
風船は浮かぶことなく修の足もとに落ちた。すぐに修は風船の結び目を解く。そしてあいた口からツンとする刺激臭が。ガソリン特有の匂いだ。風船を逆さにすればなかから液体がこぼれてきた。これを見た優次がにやりと笑って、
「これガソリンですよね?こんなところに入れて何しようとしたんですか?」
修が時計を見る。予告十五秒前。するとその近くを女性が通りがかった。
二人は自分のタイミングで男との距離を詰めていく。最初は五メートルずつあった距離は今はほとんどない。
「警察の協力をしている者です。すいませんがその風船飛ばして貰えませんか?」
男は明らかに挙動不審な行動を取っている。後から近づく修にも体をびくつかせている。
「その風船を飛ばすだけでいいんですよ?皆さん風船浮かんでいるからあなたのも大丈夫だと思いますよ」
「何にもしていなければ・・・ね?」
優次の最後の一言を聞く前に男は優次に向かっていく。優次は男から繰り出された蹴りを軽くかわして、男の背中をひと押し。男は簡単に転ぶ。しかし、右手に持った黒い風船は上に持ち上げて無事だった。
修はその隙に男の風船をひったくった。そしてその場で手を離す。
「優次さん。大当たりです」
風船は浮かぶことなく修の足もとに落ちた。すぐに修は風船の結び目を解く。そしてあいた口からツンとする刺激臭が。ガソリン特有の匂いだ。風船を逆さにすればなかから液体がこぼれてきた。これを見た優次がにやりと笑って、
「これガソリンですよね?こんなところに入れて何しようとしたんですか?」
修が時計を見る。予告十五秒前。するとその近くを女性が通りがかった。