アナタハシニマシタ

行方不明になった女子生徒――岸野明日香(きしのあすか)について質問を始める｡



｢まず､校長先生からみた彼女はどういった印象でしたか？｣



｢とてもおとなしい生徒と聞いております｡学業も極めて優秀で悪い友達がいるようには見えませんでした｣



修は岩田の話をメモを取っていく｡書き終わったところで次の質問｡




｢御両親の職業は？｣




一見随分話が飛ぶがこれも大事な話｡両親に恨みがあって誘拐する事だってある｡今はまだ誘拐にはなっていないが､そうなったときに犯人を絞りこめる｡




｢御両親は医者をやっております｡両方開業医です｣




医者だけでなく､開業医｡つまり岸野明日香の家にはそれなりの資産があるというわけなった｡怨恨だけでなく営利目的の可能性め出てきた｡




その後も数問､質問する｡友好関係､部活動､休み時間の過ごしかた…｡一応の質問が終わった｡




岸野明日香はかなり学校内では陰が薄いようだ｡友人もほとんどおらず､休み時間は一人で本を読むか勉強｡部活動にも所属しておらず､放課後は図書館にいるらしい｡