アナタハシニマシタ
しかし、そんな意味不明な話をする大人はいたって真面目な顔をして話す。



修は何かのインチキ宗教にでも助けられたとも考えた。もしくは恐ろしく手の込んだドッキリ。



瀕死の重症になったのはたまたま修の運が無かったから。当たり所が悪かったから。



自分の考えの方が合ってる。眼前の男の話なんか聞いていられるか。



修はゆっくり立ち上がった。そして自分の所持品を確認しようとした。



「あれ?」



よくみたらこれは自分が着ていた服ではない。明らかに違う。修は上下黒のジャージを着ていた。



だらしない考えをする修だが、服装は別だった。他人が着ているジャージがだらしない見えるのが嫌だからだ。



その日の服装は、黒のジャケットに白のフェイクタイのシャツ。下は青のジーンズだった。



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