アナタハシニマシタ
優次はすぐに次の話題の記事にアクセスする。


そこには殺しの結果を事細かに書かれたものだった。



「ここには予告で殺された人のことが書かれている。さっきと同じく、顔写真、時間、場所、殺害方法、そして感想が書かれている。気になるのは読んでみな」



そう言って優次は席を立って退出した。質問の答えをまるで無視するようにいなくなったが、大体見当は付いている。それを聞くのも言いたくもなかった。否定したかったからだ。



修は一番最新の記事を見る。


『記事ナンバー0203、名前 キラー』



『今日、こいつを殺した。殺し方はひき逃げ。予定時間どおりに交差点に入ってきた。交差点には時速九十キロで進入。そのまま気付かないで歩いてきたターゲットを跳ね飛ばした。二メートルくらい上に飛ばした。手ごたえバッチリ。ほぼ間違いなく死んだな。そして遠目からでも。通行人の悲鳴が聞こえた。快感だ!』



そこで見るのをやめた。これ以上見てると気分が悪くなる。そんな感じがした。



キラーを名乗るこいつは本当に普通の人間ではない。普通の人間は予告が精一杯だ。これを実行するのも普通の人間ならそこまでできない。やったとしても錯乱状態だ。こんな記事かけるわけがない。



自然に手に力が入った。手が怒りで震える。



――こんな狂った奴に殺されそうになったのか・・・。



そう考えただけでいても立ってもいられなかった。
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