*/ASTRAL
目の前がぼやけ始めた。
目頭が熱くて、
全身の力が抜けたのが
自分でもわかった。
その場に私は
座り込んだ。
下を向いて泣いていると,
陽太が頭を撫でてくれたのが
わかった。
「 あたしね,ずっとっ、
ずっと先輩が好きだった 」
「 うん 」
「 なんで..なんで
あたしじゃないの? 」
「 うん 」
「 あたしの方が奈々より
何百倍もっ.. 」
潤は静かに私の涙を
服の袖で拭ってくれた。
「 本音全部言っても
別にいいんだからな 」
潤の優しさが
服の袖から伝わった。
私は彼の腕を自分の
両目に押さえつけた。
「 ..好きでいるのは
かなり辛いよ…、
でもっ..
好きじゃ
なくなるのは、
無理… 」
涙が止まらなくて、
潤の服を濡らした。