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潤に右手をつかまれ、
私はその場を離れた。
それから潤につかまれながら
学校まで着いた。
1年生の教室は1階で
2年生の教室は2階だから、
階段のところで
立ち止まった。
それから急に潤は
私の手を離した。
少しの間、沈黙が続いた。
というか、潤がずっと
私と正反対の方向を
向いていたから、
話しかけるタイミングが
見つからなかった。
「 ..潤 」
「 ん 」
「 ありがと、ね
本当、助かった 」
「 うん 」
この間からずっと潤に
助けられっぱなしだ。
図書室で泣いてたとき、
先輩に告るとき、
そしてさっき私が先輩と
会って困ってたとき。