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「 なんかあったなら
俺になんでも言えよ? 」
( そうやって優しくするのも
浮気がバレないように
する為なんでしょ? )
そう彼に怒鳴りたかった。
でも正直にそう怒鳴れない
私が虚しくて、惨めで
悔しくて…、
「 別に何もないよ 」
私はこの空気が嫌で
平然を装って教室を
早歩きで出た。
当然そのうしろから
陽太がついてくる。
「 ついてこないで 」
うしろを歩く陽太を
ちらっと見てから
冷たく言い放つ私。
それでもついてくる陽太。
歩いてるうちに
廊下の最後まで来てしまった。
ここから先は行き止まり。
「 ーっ、 」
Uターンをしようとすると
案の定腕を掴まれた。
振り放とうとするけど
彼の力には勝てなかった。